年のはじめのごちそうに込められた「歯」への願い
年が明けて最初にいただくごちそうといえば、「おせち料理」と「お雑煮」。
日本ならではの大切な伝統行事ですね。
そんなお正月の食文化には、実は「歯の健康」を願う意味が、たくさん込められていることをご存じでしょうか。
皇室のおせち料理「花びら餅」
皇室の方々が新年を祝って召し上がられるおせち料理として知られる花びら餅。
白くふっくらとした姿が、とても可愛らしいお菓子です。

花びら餅は、甘く炊いたごぼうと白みそ餡を、餅や求肥で挟んだ和菓子として知られています。
その歴史は古く、平安時代に行われていた「歯固めの儀式」に由来します。
歯固めの儀式とは?
延命や長寿を願い、固い食べ物を用いて歯の健康を祈る宮中行事です。
花びら餅は、もともと宮中のおせち料理の一つとして用いられていました。
現代では、茶道の初釜に使われるお菓子として、またお正月の和菓子として全国に広まっています。
おせち料理に込められた“歯”への思い
黒豆は「歯が丈夫になる」縁起物

黒豆の「まめ」には、
「まじめに働く」「元気で丈夫に過ごす」という意味があります。
それに加えて、昔は
「黒豆を食べると歯が丈夫になる」
とも言われていました。
つやつやとした黒豆の色が健康な歯を連想させたことや、
少し硬めに煮た黒豆をしっかり噛むことが、健康の象徴とされていたことが理由のようです。
田作り(ごまめ)は“歯が折れるほど”硬い?

田作りは、カタクチイワシを乾燥させたもの。
昔の子どもたちの間では、
お正月に田作りを食べて歯が折れた
という、少し大げさな笑い話もよく聞かれました。
実際、田作りはかなり硬い食べ物です。
そのため、
「歯を大事にしないと、お正月に痛い目を見るよ」
という、親から子への戒めとして使われることもあったそうです。
かまぼこは“歯固め”の象徴
おせちに欠かせないかまぼこも、歯と深い関わりがあります。

かまぼこの板にぎゅっと押しつけられた形は、
古くは「歯固めの儀式」を象徴するものとされていました。
平安時代の「歯固めの儀」では、
餅・干し柿・昆布などの固い食べ物を前に置き、
「歯が丈夫で、長生きできますように」
と祈ったといわれています。
その名残が、かまぼこや昆布巻きといったおせち料理に受け継がれているのですね。
お正月といえば「お餅」…でも要注意
おせち料理からは少し離れますが、
お正月の食卓に欠かせないのがお餅です。

歯科医院では毎年のように、
- 歯の詰め物が取れた
- 差し歯が抜けた
といった“お正月あるある”を耳にします。
昔から「お正月は歯医者さんが休みだから気をつけなさい」と言われてきました。
食文化から見えてくる、歯の大切さ
お正月に定番の食べ物にまつわるエピソードは、
私たちの暮らしの中に、たくさん潜んでいます。
「よく噛むこと」
「歯を大切にすること」
それは、昔も今も変わらない健康への願い。
新しい一年を迎えるこの時期だからこそ、
食文化に込められた想いを感じながら、歯の健康についても意識してみたいですね。


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