6月に入り、梅雨入りも間近になりました。
この時期から心配になるのが、脱水症や熱中症です。
熱中症とは、脱水によって汗が出にくくなり、体温が上昇して起こる体調不良のことをいいます。特に、小さなお子さんや高齢者の方は体温調節が難しいため、注意が必要です。
そんな時に思い浮かぶのが、イオン飲料(スポーツドリンク)ではないでしょうか。
以前は、下痢や発熱、熱中症の時には「スポーツドリンクを飲むと良い」とよく言われていました。私が保健指導をしていた頃も、
「お医者さんに飲むように言われたから、身体に良いと思っていました」
とお話される保護者の方や高齢者の方が多くいらっしゃいました。
しかし実は、イオン飲料には多くの糖分が含まれています。

一般的なスポーツドリンク500mlには、約31g(角砂糖約9個分)の糖分が含まれていると言われています。
成人が1日に摂取する砂糖の目安量は約25g(角砂糖約8個分)とも言われており、飲み方には注意が必要です。
激しい運動をした時にはエネルギー補給として役立つ場合もありますが、普段の「喉の渇きを潤すための飲み物」としては、糖分が多すぎることがあります。
イオン飲料がお口に与える影響
お子さんの場合、イオン飲料を何度も飲むことでお口の中が酸性になり、歯が溶けやすい状態になることがあります。
また、高齢者の方は唾液の分泌が少なくなりやすいため、お口の中がネバネバして不快感が残ることもあります。
さらに、糖分を分解する際にはビタミンB1が必要になります。
そのため、イオン飲料の多飲による「ビタミンB1欠乏症」が、お子さんで報告されています。
また、緑茶・コーヒーなどカフェインを含む飲み物やアルコールには利尿作用があるため、脱水時の水分補給には向いていません。
私自身の失敗談
これは私自身の失敗談ですが、子どもが体調不良で食事が取れなかった時、イオン飲料ばかり飲ませていたことがありました。
すると小児科の先生から、
「イオン飲料はカロリーがあるので、ぐったりしにくくはなります。でも、それだけを飲み続けるのは良くありません」
と注意を受けました。
当時は「水分が摂れているから大丈夫」と思っていましたが、本当に反省した出来事でした。
普段の水分補給は「水」や「麦茶」を

普段の水分補給には、
- 水
- 麦茶
がおすすめです。
そして、
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
- 脱水が疑われる時
には、経口補水液を活用してくださいね。
経口補水液は自宅でも作れます

経口補水液の作り方
(NHK「あさイチ」で紹介)
- 水:500ml
- 砂糖:10g
または はちみつ大さじ1
※1歳未満のお子さんには、はちみつは使用しないでください - 塩:1.5g
※しっかり混ぜて溶かしてください。
梅シロップで作る簡単補水ドリンク

6月は梅仕事の季節ですね。
我が家でも毎年、梅シロップを作っています。
梅にはクエン酸が含まれており、疲労回復にも役立つと言われています。
梅シロップを使った、さっぱりした補水ドリンクもおすすめです。
梅ジュースの作り方
- 梅シロップ:大さじ2
- 塩:小さじ1/4
- 水:約500ml
こちらもしっかり混ぜてくださいね。
これからの季節に大切なのは「こまめな水分補給」
これから気温も湿度も高くなっていきます。
「何を飲むか」も大切ですが、まずはこまめに水分補給をすることが大切です。
特に、小さなお子さんや高齢者の方は、周囲の大人が気を配ってあげたいですね。
参考文献
・奥村彰久「イオン飲料水の多飲によるビタミンB1欠乏症」第12回 子どもの食育を考えるフォーラム
・奥村ら「イオン飲料水の多飲によるビタミンB1欠乏症」日本小児科学会雑誌 第121巻5号(2017年)

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