敬老の日に考えたい「食べる力」

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~子どもから高齢者まで、いつまでもおいしく食べるために~

「おじいちゃん、おばあちゃん、いつまでも元気でいてね。」

敬老の日は、家族の健康について改めて考えるきっかけになる日です。

元気で長生きするためには、運動や健康管理だけでなく、**「食べること」**も大切。

好きなものを食べる。
家族と一緒に食卓を囲む。
「おいしいね」と笑いながら食べる。

そんな何気ない食事の時間は、私たちの生活の楽しみのひとつですよね。

ところで、この「食べる力」。

実は高齢者だけの話ではありません。

子どもも、食べる力を少しずつ身につけていく途中です。

今回は、保育の現場から見える子どもの「食べる力」と、高齢者の「食べる力」を通して、いつまでもおいしく食べるために大切なことを考えてみたいと思います。


「食べる」って、実はすごいこと

私たちは普段、何気なく食事をしています。

食べ物を目で見て、香りを感じて、口に入れる。

そして、

噛む → 舌でまとめる → 飲み込む

という一連の動作を自然に行っています。

さらに、唇や頬、舌を動かしたり、呼吸を調整したりと、食べるためには口や喉のさまざまな機能が関わっています。

つまり、「食べる」というのは、実はとても複雑な動作なのです。

そして子どもたちは、この複雑な「食べる力」を、毎日の食事を通して少しずつ身につけていきます。


保育の現場から見る「子どもの食べる力」

保育園や幼稚園などでは、子どもたちが食事をする様子を見る機会がたくさんあります。

「上手に食べられているかな?」

と見ていると、子どもによって食べ方はさまざま。

同じ年齢でも、

「よく噛んで食べる子」
「丸飲みしてしまう子」
「口いっぱいに詰め込んでしまう子」
「なかなか飲み込めない子」
「硬いものが苦手な子」
「水分をとりながら食べる子」

など、一人ひとり違います。

これは、単純に「好き嫌い」の問題だけではありません。

口の中の発達や、噛む力、舌の動かし方、飲み込む力、食事への経験など、さまざまな要素が関係しています。

だからこそ、保育の現場では、**「何を食べたか」だけでなく「どうやって食べているか」**を見ることも大切です。


「むせる」「丸飲みする」には理由があるかも

子どもの食事中に、

「ゴホッ!」

とむせることがあります。

また、

「噛まずに飲み込んでいるように見える」
「口の中に食べ物をためている」
「食べ物をなかなか飲み込まない」

ということもあります。

もちろん、一時的なものや発達の過程で見られることもあります。

大切なのは、その子の食べ方をよく観察すること

「いつもむせている」
「特定の食べ物だけ食べにくそう」
「以前できていたことができなくなった」

など、気になる変化がある場合には、保護者や必要な専門職と情報を共有することも大切です。


「噛む力」は子どもの頃から

食べ物を噛むことは、食べ物を細かくするだけではありません。

舌や頬を使って食べ物をまとめ、飲み込みやすい状態にしていくためにも重要です。

子どもたちは、さまざまな食材や食感を経験しながら、少しずつ「噛む」ことを覚えていきます。

そして大人になり、高齢になっても、「噛む力」は食べるために欠かせません。

つまり、

子どもの「噛む」も、高齢者の「噛む」も、どちらも食べる力の大切な一部分。

世代は違っても、食べるために必要な力には共通するところがあります。

以前、「よく噛んで食べていますか?」という記事でも、噛むことについて紹介しました。

内部リンク:よく噛んで食べていますか?】


「すする」も大切な食べる動作

日本の食文化には、「すする」という独特な食べ方があります。

おそうめんやうどん、そばなどを「つるつるっ」とすする。

実は「すする」という動作にも、口や舌、呼吸などが関係しています。

子どもにとっては、すすることも経験を重ねながら身につけていく動作のひとつ。

「どうしたら上手にすすれるのかな?」

そんな視点で子どもの食べ方を見てみるのも面白いですね。

内部リンク:上手にすするための練習方法】


高齢者の「食べる力」にも変化が

そして、私たちは年齢を重ねると、今度は少しずつ「食べる力」が変化していきます。

「最近、食事中によくむせるようになった」

「硬いものが食べにくくなった」

「食事に時間がかかるようになった」

「水分でむせることが増えた」

こうした変化は、飲み込みや噛む力が低下しているサインかもしれません。

「年を取ったから仕方ない」と、そのままにしないことが大切です。


「入れ歯」は合っていますか?

高齢になると、入れ歯を使っている方も多くなります。

入れ歯は、食べ物を噛むためにも大切なもの。

ところが、

「入れ歯が痛い」
「外れやすい」
「以前より噛みにくい」
「入れ歯を使わなくなった」

ということがあれば注意が必要です。

体重の変化などによって、以前はぴったりだった入れ歯が合わなくなることもあります。

「我慢して使う」のではなく、歯科医院で相談してみましょう。


「口腔ケア」は子どもにも高齢者にも

口腔ケアというと、高齢者のためのものと思われるかもしれません。

でも、もちろん子どもにも大切です。

子どもの頃から歯磨きなどの習慣を身につけ、口の中を清潔に保つことは、健康な口を育てていくための基本です。

そして高齢になっても、口腔ケアは続きます。

歯や歯ぐきだけでなく、舌や入れ歯なども含めて、口の中を清潔に保つことが大切です。

「口腔ケアは、子どもから高齢者まで一生続くもの」

そう考えると、口の健康をもっと身近に感じられるかもしれません。


「飲み込み」にも目を向けて

食べ物を口に入れたら、自然に「ごっくん」と飲み込む。

私たちには当たり前のことですが、飲み込みには多くの筋肉や神経が関わっています。

子どもは成長の中で飲み込む力を身につけていき、高齢になると、今度はその力が少しずつ変化することがあります。

だからこそ、

「飲み込めているかな?」

という視点は、子どもにも高齢者にも大切なのです。

食事中のむせや咳、食べ物を口にためる、飲み込みに時間がかかるなど、気になる様子が続く場合は、保護者や医療・介護の専門職に相談しましょう。

内部リンク:誤嚥防止の記事】


「食べる力」は、一生を通して育ち、変化する

こうして考えてみると、「食べる力」は高齢になってから突然必要になるものではありません。

子どもの頃から、

食べることを経験し、噛むことを覚え、飲み込むことを身につけていく。

そして大人になり、高齢になってからは、

今ある食べる力をできるだけ長く保っていく。

「食べる力」は、まさに一生を通して私たちの生活に関わっているのです。


敬老の日、家族で「食べる姿」を見てみませんか?

敬老の日には、プレゼントを贈ったり、一緒に食事をしたりするご家庭も多いと思います。

そんなとき、ちょっとだけ「食べる姿」に注目してみませんか?

「最近、むせることが増えた?」

「以前より噛みにくそう?」

「入れ歯はちゃんと使えている?」

「食事に時間がかかっていない?」

「口の中はきれいかな?」

普段一緒に食事をしているからこそ、気づける変化があります。

そして同じ食卓にいる子どもにも、

「よく噛めているかな?」
「急いで食べていないかな?」
「口いっぱいに入れていないかな?」

と、成長の様子を見てみる。

子どもから高齢者まで、「食べる力」はそれぞれの段階で大切にしたいものです。


「おいしいね」を、いつまでも

食べることは、栄養をとるためだけではありません。

家族と食卓を囲むこと。

季節の料理を楽しむこと。

好きなものを味わうこと。

「おいしいね」と笑うこと。

そのひとつひとつが、毎日の生活を豊かにしてくれます。

敬老の日をきっかけに、ご家族みんなで「食べる力」について考えてみませんか?

子どもには、これから育っていく「食べる力」。

大人には、今ある「食べる力」。

そして高齢者には、これまで大切にしてきた「食べる力」。

「いつまでも、おいしく食べられますように。」

そんな願いを込めて、今年の敬老の日は、いつもより少しだけ「食べること」に目を向けてみてはいかがでしょうか。

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