食欲の秋に考えたい「噛む力」

口腔機能

~瞬発力と噛みしめ、そして歯の大切な役割~

少しずつ暑さも和らいできますね。

そうなると……
**「食欲の秋!」**です。

栗、さつまいも、きのこ、秋刀魚、新米……。

秋は、おいしいものがいっぱい。

皆さん、おいしく、しっかり食べることができていますか?

「しっかり食べる」ために、歯は大切

しっかり食べるためには、歯が大切。

これは、このブログを見てくださっている皆さんなら、

「知ってるよ!」

と言われてしまいそうですね(笑)。

でも、ちょっと振り返ってみてください。

歯を抜いたり、抜けたりして、失った歯はありませんか?

「抜けてしまったのだから、仕方がない」

そう思って、そのままにしていませんか?

歯は、1本1本がそれぞれ違った形をしていて、それぞれに役割があります。

前歯は食べ物を噛み切り、犬歯は食べ物を切り裂き、奥歯は食べ物をすりつぶす。

そして、それぞれの歯が支え合いながら、食べ物をしっかり噛む働きをしています。

だからこそ、1本の歯を失うことは、「たった1本」の問題ではないのです。

1本の歯を失うと、噛み方も変わる

歯を1本失うと、その部分では食べ物を噛めなくなります。

すると、無意識のうちに反対側の歯で噛むようになったり、残っている歯に負担が集中したりすることがあります。

さらに、歯がないまま長期間過ごしていると、周囲の歯が動いたり、噛み合わせが変化したりすることもあります。

「今は特に困っていないから大丈夫」

と思っていても、少しずつ噛む環境が変わってしまう可能性があるのです。

だから、失った歯については、

「そのままにしておいていいのかな?」

と、一度考えてみてほしいと思います。

ところで、「歯を食いしばる」と力が出るのはなぜ?

ここで、少し話を変えてみましょう。

皆さんは、重いものを持ち上げるとき、

「グッ!」

と歯を食いしばった経験はありませんか?

ジャンプするとき、走り出すとき、スポーツで一瞬の力を出すときにも、無意識に噛みしめることがあります。

これは、口や顎だけが単独で働いているわけではありません。

身体が力を発揮するときには、顎や首、体幹など、身体全体が協調して働いています。

つまり、「噛む」「噛みしめる」という口の働きは、食事だけに関係しているわけではないのです。

「噛む力」は、食べる力だけではない

「噛む」と聞くと、

「食べ物を細かくする」
「飲み込みやすくする」

というイメージが強いですよね。

もちろん、それはとても大切な役割です。

でも、口や顎の働きは、それだけではありません。

身体に力を入れるときの「噛みしめ」とも関係しています。

例えば、

  • ジャンプする
  • 走り出す
  • ボールを投げる
  • 重いものを持ち上げる
  • 椅子から立ち上がる
  • 転びそうになったときに踏ん張る

こうした動作では、一瞬で身体を動かす力が必要になります。

「噛む」という行為を、食事だけのものと考えず、身体全体の働きの中で見てみる。

そうすると、歯や口の役割が、少し違って見えてきませんか?

子どもから高齢者まで、「口」と「身体」はつながっている

これは、スポーツ選手だけの話ではありません。

子どもたちが、

「走る」
「跳ぶ」
「登る」
「投げる」

といった遊びをするときにも、身体全体が協調して働いています。

そして高齢者にとっては、

「椅子から立ち上がる」
「歩き始める」
「段差をまたぐ」
「転びそうになったときに踏ん張る」

といった日常生活の動作にも、一瞬の力が必要です。

だからこそ、

「口の機能」と「身体の機能」を別々に考えない

ことが大切なのではないでしょうか。

失った歯は、どうしたらいい?

では、もし歯を失ってしまったら?

歯を失った場合には、その状態や口の中の環境に応じて、いくつかの治療方法があります。

例えば、

ブリッジ

失った歯の両隣の歯などを支えとして、人工の歯を固定する方法です。

取り外しのできる入れ歯

バネなどを使って残っている歯に固定するものや、さまざまなタイプがあります。

インプラント

歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける方法です。

どの方法が適しているかは、人によって違います。

お口の状態はもちろん、

  • 残っている歯の状態
  • 噛み合わせ
  • お手入れのしやすさ
  • 全身の状態
  • 費用
  • 生活スタイル

などによっても選択肢は変わります。

「歯がないから、とりあえず入れ歯」

と決めつけるのではなく、かかりつけの歯科医院で相談して、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

「今は困っていない」からこそ、相談を

歯を失ったままにしていると、時間の経過とともに周囲の歯が動いたり、噛み合わせが変化したりして、後から治療の選択肢が限られることもあります。

「まだ食べられるから大丈夫」

ではなく、

「今のうちに相談しておこう」

という気持ちが大切です。

気になっていることがあれば、ぜひ歯医者さんに相談してくださいね。

よく噛んで、しっかり食べる

秋は、おいしいものがたくさんあります。

せっかくの「食欲の秋」。

おいしいものを、おいしく食べたいですよね。

そのためには、

歯があること。

そして、

しっかり噛めること。

さらに、

安全に飲み込めること。

これらが大切です。

「噛む」ということは、単に食べ物を細かくするだけではありません。

噛むこと、噛みしめること、身体を動かすこと。

私たちの身体は、いろいろなところがつながって働いています。

だからこそ、歯を失ったときには、そのままにせず、**「噛む機能をどう取り戻すか」**を考えてみてください。

よく噛んで、しっかり食べる。

そして、必要な栄養をしっかり摂る。

それが、元気に毎日を過ごすための大切な一歩なのではないでしょうか。

今年の秋は、ぜひ「食欲」だけでなく、
「噛む力」についても、ちょっと考えてみませんか?

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