先日、施設に入所している母の面会に行ってきました。
一緒におやつを食べようと思い、ゼリーを持って行きました。
「食べる?」
「うん。」
そう言って食べ始めたのですが、しばらくすると喉がゴロゴロ、ゼイゼイ…。
「もしかして誤嚥している?」
そう思い、
「苦しい?」
と聞くと、
「苦しくないよ。」
本人は苦しくないと言います。
でも、何となく危険を感じ、一さじずつ私が食べさせることにしました。
まずは姿勢を確認し、枕で頭を安定させて、
「はい、どうぞ!」
ところが、ゼリーを口に入れた瞬間、顎をぐっと上げたのです。

「それじゃあ、鵜飼の鵜みたいだよ。」
「顎を少し下げて、ごっくんしてみて。」
そう声をかけても、本人は
「この方が飲み込みやすい。」
と言います。
「危ない、危ない…。」
そんな気持ちになりました。
そして、3口でもういらないと…。
後で施設の職員さんに聞いてみると、普段から上を向いて飲み込んでいるとのこと。
職員さんも「顎を引いて食べましょうね」と声をかけてくださっているそうですが、なかなか難しいようです。
また、食事中に呼吸が苦しそうに見えることもあるため、食事形態をとろみ食へ変更することになりました。
飲み込みにくいと、なぜ上を向くの?
飲み込みにくさがある方は、重力を利用して食べ物を喉へ送り込もうとして、自然と顎を上げることがあります。
しかし、この姿勢では気道が開きやすくなり、食べ物や飲み物が誤って気管へ入りやすくなることがあるため注意が必要です。

もちろん、すべての人が当てはまるわけではありません。
飲み込みの状態によっては、その方に合った姿勢や食事方法がありますので、自己判断せず、医師や歯科医師、言語聴覚士など専門職の評価を受けることが大切です。
小さなお子さんにも見られることがあります
そういえば、同居している義母も飲み込みにくいときに顎を上げて飲み込んでいました。
また、小さなお子さんでも、食べるときに上を向いて飲み込んでいる様子を見かけることがあります。

もちろん、お母さんのスプーンの運び方や食べさせ方が影響している場合もあります。
一方で、赤ちゃんは哺乳のときに顔を上向きに近い姿勢で飲むため、その名残から、食べる動作への移行が十分にできていないことも考えられます。
食べることは、生まれつきできるものではなく、少しずつ学習して身につけていく動作です。
だからこそ、正しい食べ方や飲み込み方を身につけることが大切なのです。
こんなサインは要注意
食事中や食後に、
- 声がかすれる
- 声がゴロゴロする
- ゼイゼイした呼吸になる
- むせることが増えた
- 飲み込むときに顎を大きく上げる
このような様子が見られたら、飲み込みの機能(嚥下)を一度確認してみることをおすすめします。
顎を大きく上げて飲み込む姿は、まるで鵜飼の鵜のよう。
その姿勢が習慣になっている場合は、飲み込みにくさのサインかもしれません。
誤嚥は肺炎の原因にも
誤嚥は、食べ物や飲み物だけではなく、唾液に含まれる細菌が気管へ入ることで誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
「少しむせるだけだから」
「年齢のせいだから」
と見過ごさず、小さなサインに気づくことが、大切な命を守ることにつながります。
「食べること」は毎日の楽しみです。
だからこそ、安全に、おいしく食べ続けられるよう、ご家族や介護者が飲み込みの様子に目を向けてあげてください。

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