「よく噛む」だけではない、咀嚼の大切さ

口腔機能

これまで、このサイトで「よく噛んで食べることの大切さ」を何度もお伝えしてきました。

先日、日本咀嚼学会学術大会に参加し、咀嚼について改めて学ぶ機会がありました。そこで感じたのは、咀嚼は「噛む回数を増やす」「力を入れて噛む」といったことだけでは捉えきれない、ということです。

食べものを口に取り込み、歯や舌、頬などを使って噛み、飲み込める状態(食塊)にする。咀嚼には、口のさまざまな機能が関わっています。噛む回数だけではなく、一人ひとりの食べ方や口の働き、食べにくさがないかにも目を向けることが大切です。

子どもの「食べる力」

子どもは成長とともに、食べものに合わせた噛み方や飲み込み方を身につけていきます。口腔機能の発達や咀嚼機能の獲得が十分でないと、食べられるものが限られ、偏食や発育に影響することがあります。

「好き嫌い」と考えるだけでなく、食べにくさや口の動きにも目を向け、その子の発達に合った食材や食べ方を考えることが大切です。

高齢期の「噛む力」

高齢になると、歯や口の機能の変化などによって、咀嚼機能が低下することがあります。これはオーラルフレイルの要因のひとつです。食べにくさから食事量や栄養摂取量が減ると、全身のフレイルにもつながるおそれがあります。

食べにくいものが増えた、食事に時間がかかるなどの変化に気づいたら、口の状態を見直すきっかけにしてみましょう。

盛岡のおいしいものを味わって

学会に参加した盛岡では、おいしい冷麺やじゃじゃ麺、パンをいただきました。冷麺のつるりとした食感、じゃじゃ麺のもちもちとした麺、パンの香ばしさ。食べる楽しさを満喫しながら、「いろいろな食べものを味わえるのも、しっかり口が機能しているからなんだな」と感じました。

食べものを噛み、口の中でまとめ、飲み込む。普段は当たり前にしていることですが、口の働きがあってこそ、食事をおいしく楽しめるのですね。学会での学びが、盛岡の食を通して、より身近に感じられたひとときでした。

一人ひとりの「食べる」を見る

「よく噛みましょう」と伝えることは大切です。それと同時に、その人がどのように食べているか、口の機能が発達・維持されているか、困っていることはないかを知ることも欠かせません。

今回の学会での学びを通じて、咀嚼は年齢や口の状態に応じて考える必要があると、改めて感じました。子どもから高齢者まで、一人ひとりの「食べる力」を支え、食事を楽しめる毎日につなげていきたいと思います。

※食べにくさや、食べられるものの偏りが気になる場合は、歯科医師などの専門家にご相談ください。

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