「これって丸飲み?」離乳食の固さ・大きさ・食べ方|赤ちゃんの「食べる力」を育てよう

口腔機能

「カミカミ期に入ったけれど、うちの子、ちゃんと噛めているのかな?」

「バナナくらいの固さって、具体的にどのくらい?」

離乳食が進んでくると、スプーンを赤ちゃんのお口に運びながら、

「ちゃんとモグモグしている?」

「丸飲みしていないかな?」

と、心配になることがありますよね。

育児書には「この時期はこのくらいの固さ」と書いてあっても、目の前の赤ちゃんがどのくらい噛めているのか、どんな大きさなら食べやすいのかを見極めるのは、なかなか難しいものです。

そして、赤ちゃんの「食べる力」は、食材の固さや大きさだけで育つものではありません。

食べ物を見て、触って、口に運び、舌や頬を動かして、噛んで、味わって、飲み込む。

そんな一つひとつの経験が、少しずつ「食べる力」につながっていきます。

さらに、赤ちゃんは周りの人が食べている姿を見ることも、食べる経験の一つになります。

今回は、離乳食のステップアップで知っておきたい「固さ」「サイズ」「食べ方」に加えて、赤ちゃんの「食べる力」を育てるために大切にしたいことを考えてみましょう。


お口を育てる!離乳食ステップアップの3つのポイント

① 固さは「舌や歯ぐきでつぶせるか」を目安に

「バナナくらいの固さ」と言われても、

「これくらいでいいのかな?」

と迷ってしまいますよね。

離乳食の進み具合の目安として、一般的には次のように考えられています。

モグモグ期(7~8か月頃)
舌でつぶせるくらいの柔らかさ。

カミカミ期(9~11か月頃)
歯ぐきでつぶせるくらいの柔らかさ。

パクパク期(1歳~1歳6か月頃)
歯ぐきや生えてきた歯を使って、噛みつぶせるくらいの固さ。

ただし、月齢はあくまでも目安です。

赤ちゃんの発達や食べる様子には個人差があります。

「9か月になったから、今日から固くしなくちゃ!」

と急に変える必要はありません。

大切なのは、その子が無理なく口を動かして食べられること。

食べ物を口に入れたときの様子を見ながら、少しずつ固さや形を変えていきましょう。


② 食材の「大きさ」も、お口の発達に合わせて

離乳食を作っていると、

「喉に詰まらせたら怖いから、できるだけ細かくしておこう」

と思うことがありますよね。

安全に食べられる形や大きさにすることは、とても大切です。

そのうえで、手づかみ食べができるようになってきたら、発達に合わせて、自分で持って口に運びやすい形の食材を取り入れることもできます。

自分で食べ物を持つ。

口まで運ぶ。

口に入れる量を感じる。

そして、噛んだり舌を動かしたりする。

こうした経験を通して、赤ちゃんは少しずつ自分の口の使い方を覚えていきます。

「どのくらい口に入れる?」

「どうやって噛み取る?」

という感覚も、食べる経験の中で育っていくのです。

ただし、食品の形や大きさによっては窒息の危険があります。

硬くて丸いもの、粘着性の高いもの、噛み切りにくいものなどには特に注意し、赤ちゃんの発達に合わせて安全な形で提供しましょう。

また、食事中は赤ちゃんのそばで様子を見守ることも大切です。


③ 「何回噛んだ?」より、お口の動きを見てみよう

赤ちゃんが食べていると、

「今、噛んだ?」

「丸飲みしていない?」

と、つい気になってしまいます。

でも、離乳食の時期は、赤ちゃん自身が「食べ方」を練習している途中です。

食べ物を口に入れたあと、

  • 舌を動かしている
  • 口を閉じている
  • 頬が動いている
  • 口の中で食べ物を動かしている
  • 食べ物をつぶそうとしている
  • ゴックンと飲み込んでいる

など、さまざまな動きが見られます。

そのため、

「何回噛んだか」だけで判断するのではなく、「お口をどのように動かして食べているか」を見てみることが大切です。

食べるということは、「噛む」だけではありません。

見て、触って、口に運んで、舌や頬を動かして、味わって、飲み込む。

たくさんの経験が積み重なって、「食べる力」になっていきます。


「丸飲みしている?」と心配になったら

赤ちゃんの食べ方を見ていると、

「ちゃんと噛んでいないように見える……」

「そのまま飲み込んでいるのでは?」

と心配になることがあります。

でも、離乳食の時期は、大人と同じように食べられるようになることが目標ではありません。

食材を舌でつぶしたり、歯ぐきでつぶしたり、舌や頬を使って口の中で動かしたりしながら、少しずつ食べ方を身につけていきます。

だからこそ、

「何回噛んだ?」だけではなく、

  • 食べ物を口の中で動かしているか
  • 口を閉じているか
  • 無理なく飲み込めているか
  • 食事中に苦しそうな様子がないか
  • 食事を楽しめているか

など、全体の様子を見てあげましょう。


赤ちゃんは、食べている姿を見ながら学んでいます

離乳食の時間。

「はい、あ~ん」

「モグモグしてね」

と、一生懸命赤ちゃんに食べさせているママ・パパ。

たくさん食べて、元気に大きくなってほしい。

そんな気持ちは、きっと多くの親御さんに共通するものですよね。

でも、赤ちゃんの「食べる力」を育てるために大切なのは、食べ物を口に運んであげることだけではありません。

周りの人が食べている姿を見ることも、赤ちゃんにとって大切な食事の経験です。

大人が口を開ける。

食べ物を口に入れる。

モグモグする。

味わう。

ゴックンと飲み込む。

そして、

「おいしいね」

と笑う。

そんな姿を、赤ちゃんは毎日の食卓で見ています。

赤ちゃんが大人の食べ方をそのまま再現するわけではありません。

それでも、「食べる人と一緒に食卓を囲み、食べる様子を見る」という経験は、食べることへの興味や関心につながる大切な時間になります。


「あ~ん」「モグモグ」だけじゃない。大人の食べ方もお手本に

赤ちゃんに、

「こうやって食べるんだよ」

と説明しても、まだ言葉だけでは理解するのが難しい時期です。

だからこそ、目の前で実際に食べる姿を見せてあげることができます。

ママが食べて、

「おいしいね」

と笑う。

パパがモグモグしている。

家族が、

「これ、おいしいよ」

と話している。

そんな何気ない食卓の風景も、赤ちゃんにとっては「食べる」ということを知る経験になります。

もちろん、毎回家族全員で食卓を囲まなくても大丈夫。

赤ちゃんが食べている横で、ママやパパが少しだけ何かを食べてみる。

「ママも食べるよ」

「おいしいね」

と声をかける。

そんな小さなことからでも十分です。


一緒に食べることも「食育」です

離乳食の時期には、

「一緒に食べる」

ことも、できる範囲で意識してみてほしいと思います。

毎回、きちんと同じ時間に食べなければいけない、ということではありません。

赤ちゃんが食べている横で、ママやパパが一緒に食事をする。

「おいしいね」

と笑顔を見せる。

同じ食卓で、家族が食べる姿を見せる。

それだけでも、赤ちゃんにとっては大切な食事の経験になります。

「はい、あ~ん」

「モグモグしてね」

と声をかけるだけではなく、

大人自身が食べる姿を見せること。

それも、赤ちゃんにとって分かりやすい「食べることのお手本」の一つなのかもしれません。


食べることは、「栄養を入れる」だけではありません

食べたものを身体の栄養につなげていくためには、

食べ物を口に入れる
↓
噛む・つぶす
↓
舌や頬を使って口の中でまとめる
↓
飲み込む

という一連の働きが必要です。

でも、食事は単なる「栄養補給」ではありません。

食べ物を見て、

触って、

口に入れて、

噛んで、

味わって、

「おいしい」と感じる。

そんな経験も、食べる力を育てる大切な要素です。

だからこそ、

「たくさん食べさせなくちゃ!」

だけではなく、

「食べることを一緒に楽しもう」

という視点も大切にしたいですね。


「食べられない」には理由があるかもしれません

離乳食が進んでくると、

「この食材だけ嫌がる」

「口から出してしまう」

「なかなか次の段階に進めない」

ということもあります。

そんなとき、

「好き嫌いかな?」

と考えることもありますが、もしかすると「食べにくさ」が関係していることもあります。

例えば、

  • 固すぎる
  • 大きすぎる
  • パサパサしている
  • 繊維が多い
  • 口の中でまとめにくい
  • 一口量が多い

など。

「食べない」という行動だけを見るのではなく、

「この子にとって、この食べ物は食べやすいのかな?」

という視点で見てみるのも大切です。

これは、離乳食を進めるうえでの一つのヒントになります。


噛ミングmomの健口メモ

ときどき、ウンチの中に、にんじんなどの野菜がそのまま残っているように見えて、

「全然噛めていない!」

と驚くことがあるかもしれません。

でも、食材が便の中にそのまま残っているように見えたからといって、「まったく噛めていない」とは限りません。

食材によっては、消化されにくい部分が残ることもあります。

そのため、

「野菜がそのまま出てきた=丸飲みしている」

とすぐに結びつける必要はありません。

赤ちゃんが元気に過ごしていて、食事や成長に特に気になることがなければ、まずは食事全体の様子を見てみましょう。

そして、

「モグモグしてるね」

「上手にお口を動かしてるね」

「おいしいね」

と、食べることを楽しい経験にしてあげたいですね。


気になるときは、一人で悩まないで

離乳食の進み方には個人差があります。

「この月齢なのに、まだ上手に噛めない」

「うちの子だけ遅いのかな?」

と、焦ってしまうこともあるかもしれません。

でも、月齢だけで判断するのではなく、その子のお口の動きや食べる様子を見ながら進めていくことが大切です。

もし、

  • 食事中によくむせる
  • 飲み込みにくそう
  • 食べることを極端に嫌がる
  • いつも口から出してしまう
  • 食事にとても時間がかかる
  • 食べられる食品が極端に限られている
  • 体重や成長について気になる

など、心配なことがある場合には、自己判断だけで食形態を変え続けるのではなく、医師、歯科医師、管理栄養士、言語聴覚士などに相談してみましょう。


そして、このことは高齢者の「食べる力」にもつながります

赤ちゃんの食事について考えていると、実は高齢者の食事にも共通する部分があることに気づきます。

食べるためには、

噛むこと。
舌を動かすこと。
食べ物をまとめること。
飲み込むこと。

そして、それだけではありません。

誰かと一緒に、

「おいしいね」

と言いながら食べること。

食事を楽しむこと。

これも「食べる力」を支える大切な要素です。

赤ちゃんも、高齢者も、食べることを通して人とつながっています。

だからこそ、

「食べさせる」だけではなく、「一緒に食べる」。

そんな視点も大切にしたいですね。


「おいしい!」が、食べる力を育てる

離乳食の進み方は、教科書通りにはいきません。

よく食べる日もあれば、あまり食べない日もあります。

「今日は全然モグモグしてくれなかった……」

と落ち込む日があっても、大丈夫。

毎食、

「ちゃんと噛んでいるかな?」

とチェックし続ける必要はありません。

食材の固さや大きさを、赤ちゃんの発達に合わせること。

赤ちゃん自身が食べる経験を積み重ねること。

そして、周りの大人が、

「食べるって楽しいよ」

という姿を見せること。

その一つひとつが、赤ちゃんの「食べる力」を育てていきます。

「おいしいね」

「楽しいね」

「一緒に食べようね」

そんな笑顔の食卓が、赤ちゃんにとって最高の食育になるのかもしれません。

そして、それは子どもだけではありません。

高齢になっても、

「おいしい!」

と感じながら、誰かと一緒に食べる。

その時間も、心と身体の健康を支えてくれます。

食事は、単に栄養を身体に入れるだけのものではありません。

見て、触って、噛んで、味わって、飲み込んで、そして誰かと一緒に楽しむ。

そんな経験の積み重ねが、私たちの「食べる力」につながっているのだと思います。

赤ちゃんの「モグモグ」「カミカミ」を見守ることから、家族みんなの「食べる力」について考えてみませんか?

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